FOO FIGHTERS / IN YOUR HONOUR
DISK 1
01:In Your Honor
02:No Way Back
03:Best of You
04:DOA
05:Hell
06:The Last Song
07:Free Me
08:Resolve
09:The Deepest Blues Are Black
10:End Over End

DISK 2
01:Still
02:What If I Do?
03:Miracle
04:Another Round
05. Friend of a Friend
06:Over and Out
07:On the Mend
08:Virginia Moon
09:Cold Day in the Sun
10:Razor
このコーナーが頓挫したのは、このアルバムのことを書く番が回ってきたからです。もうこの2枚組のスケールとデイブ・グロールという人間についてなんて書いていいか全くわからなかったんです。アルバム聴いただけならまだいい。フジロックで彼らの勇姿を見て、僕は花道を走るデイブの手に触れました。そのことがあって、もうほんとに何て書いていいかわからなかったんです。
まだわかりませんが、まあ書けるだけ書いてみます。
とにかく一聴して感じたことは、デイブ・グロールが「デイブ・グロール」になった。ということです。「元ニルヴァーナの」が完全に外れたと思いました。後から読んだ雑誌にもそのようなことが書いてあって、確信を深めました。
人格者としても知られるデイブの人柄が、音からにじみ出ています。DISK 1の#01からもう、力強く立つデイブが見える気がします。
もともとデイブの感情的な歌い方からはその人柄がうかがい知れて余りあるものだったと思うんですが、そこには必ずニルヴァーナがいたように思います。それがなくなったというか、なくなってはいないんだけど、ニルヴァーナを引っくるめたデイブ・グロールとでも言いましょうか。そこに聞こえるニルヴァーナは、デイブの中に在ります。ニルヴァーナのデイブではなく、デイブのニルヴァーナ。言わんとすることが伝わるでしょうか。うーん、だから書けなかったんですが。
それは、カート・コバーンのことを歌ったと言われるDISK 2の#05においても例外ではありません。偉大なるカリスマの後ろにデイブはいたのに、カートすら包み込んでしまったデイブがそこにいます。
とはいえ、この作品で様々な評論にもあるように、デイブは呪縛から解き放たれ、さらにその呪縛を優しく包み込みました。ですからこの作品を語るときは必ず「ニルヴァーナ」の名が表れます。
次の作品からはもうそれもなくなることでしょう。
史上最大のカリスマをも包み込んだFFの新作がどれだけのモンスターアルバムになるのか、デイブはきっとこけないと確信しているので、もう楽しみでなりません。
(07/01/15)



THE FUTUREHEADS / THE FUTUREHEADS
01:LE GARAGE
02:ROBOT
03:A TO B
04:DECENT DAYS AND NIGHTS
05:MEANTIME
06:ALMS
07:DANGER OF THE WATER
08:CARNIVAL KIDS
09:THE CITY IS HERE FOR YOU TO USE
10:FIRST DAY
11:HE KNOWS
12:STUPID AND SHALLOW
13:TRYING NOT TO THINK ABOUT TIME
14:HOUNDS OF LOVE
15:MAN RAY
16:DECENT DAYS AND NIGHTS : RADIO MIX
17:HOUNDS OF LOVE : RADIO MIX
Rockin'on4月号のCDに#04が入っておりまして、フジロック行くことになってから出演するってことで買ってきました。いんやー、買ってよかった。フジロックじゃかなり前からレッドマーキーに張って、最前列ドセンターで観られましたから。おまけにギターのロスが投げたペットボトルがっつり受け止めましたからね。
どこまでもポップな音を聞かせてくれます。それにメンバー全員、特にフロント三人はそれぞれボーカル張れる歌唱力。めくるめくコーラスが一層曲を盛り上げます。ほんで曲それぞれすごい短いんですよ。だから初っぱなから盛り上がっててそのテンションで終わって。その疾走感は気持ちいい。
ボーカルが三人いるようなもんなので、音の隙間がまずないです。人の声で間を埋めているので、ただ音が厚いだけじゃない柔らかさがあります。
ワタクシが一番好きなのはライブでも一番盛り上がった#04ですが、#07は泣かせにきてます。曲を上に上に盛り上げていたコーラスが、ここでは一変して曲を深く広くしています。自分たちの武器であるコーラスのこういう間逆な使い方も、デビュー作の時点でできているのがコイツらのすごいところだと思います。でもこの曲も3分に満たない。見事な変化球を投げたというのに、そこに酔っていません。この曲の扱いを大きくして全体の流れを変えてもよさそうなもんですが、次の曲から元のテンションを完全に取り戻しています。あくまでダンサブルなポップスに徹している。デビュー作なのによくわかってるなあ、と思います。今後どういう風に発展していくのかまったく見えないんですが、僕はセカンドも期待しとりますよ。
(05/10/06)



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